新日本建設コラム

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2021.04.13

戸建てとマンションはどちらが得?維持費から見る戸建てとマンションの比較

家を探す際、戸建てにしようかマンションにしようか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

どちらにもメリットとデメリットがあるからこそ、両者は比較検討を行った上で選ぶことをおすすめします。

 

今回の記事では、戸建てとマンションではどちらが得なのかを解説するとともに、維持費なども比較してご紹介します。

また、それぞれのメリット・デメリットもまとめるので、これから住宅を探すという方はぜひ参考にしてみてください。

 

戸建てとマンション、それぞれのメリット・デメリットは?

戸建てもマンションも長く生活するのに適した物件ですが、メリットもあればデメリットもあります。

そのため、ここではまず両者の良い点と悪い点を簡単にまとめます。

もし迷ってしまっているという方は、ぜひどちらにしたいのか判断する材料として活用してみてください。

 

戸建てのメリット

戸建ては生活面で優れた点が多く、騒音や振動などのトラブルが少ないのが大きな魅力です。

近年は近隣住民とのトラブルになり、最悪の場合は事件に発展することもあります。

戸建ては基本的に他の家との距離があるため、それら生活面でのトラブルは回避可能です。

プライバシーも保たれます。また、人と人同士の関係ではなく家と家同士の関係となるため、近所との関係も深くなりやすいのが特徴となります。

 

そのほか、管理費や共益費、そのほかの修繕積立金などの支払いもありません。

そういう意味では維持費の点からも戸建ては優秀だといえます。実際に駐車場代などもかかりませんので、家族で車を持って生活するというライフスタイルに適しています。

さらにはリフォームやリノベーションも自由自在なので、生活環境の変化にも対応可能です。

 

戸建てのデメリット

戸建ては土地や建物などの維持管理をすべて自分でやらなくてはなりません。

管理会社がやってくれるということはないため、当然ながら維持費もかかります。

共用施設もないため、自分たちの生活に必要なものは基本的にすべて自分たちで用意しなくてはなりません。その点では負担が大きいでしょう。

 

また、オートロックなどを採用している物件とは異なり、戸建ては玄関や窓などの防犯面でも不安が残ります。

脆弱とまでは言いませんが、侵入しようと思えば侵入できてしまう構造となっている物件も多いです。

防犯面のほかにも、土地に対して建物の制約も多く、建蔽率や容積率を考えなくてはならない点も負担となるかもしれません。

 

マンションのメリット

マンションは共用施設が充実している物件も多く、それらの管理も管理会社が行ってくれます。

自分で掃除しなくてもエントランスやホール、廊下などは清掃してもらえるため、掃除が苦手な人でも綺麗に保つことができます。

また、マンションはオートロックなどが充実しており、防犯面でも強いです。

 

さらに、室内がフラットということもあって有効面積が広く、自分のライフスタイルに合った間取りの物件を見つけやすいのもメリットです。

自由自在に作れるというわけではありませんが、選択肢の多さもって、子供からお年寄りまで暮らしやすい物件を見つけやすいでしょう。

また、居住者同士のコミュニティも形成されやすいため、万が一、困窮した事態となった際に助けてもらえる可能性もあります。

 

マンションのデメリット

マンションはどうしても騒音や振動が伝わりやすいもの。

そのため、上下左右に住む住人とトラブルになることがあります。

事実、近年はそこから事件に発展することもあるため、ある程度、お互いに気を遣って生活する必要があります。

同じ理由から、プライバシーも保ちにくい傾向があります。

また、単身者の多いマンションの場合、特に挨拶することもなく、関係が希薄で「隣に誰が住んでいるかわからない」という状態にも陥りやすいです。

 

そのほか、管理費や共益費、修繕積立金などがかかるのも負担となるでしょう。

これらの支払いは毎月かかることが多いため、今後数年数十年と暮らす場合は、それらが家計を圧迫することもあります。

さらに、車が必須の地域では駐車場代などもかかるなど、何かと金銭面で苦労することが増える可能性も否めません。

また、リフォームやリノベーションは管理会社が行うものなので、オーナーの方が自由に行なって良いとは限りません。そういう意味では制約も多いといえます。

 

それぞれで発生する維持費はどんなものがある?

戸建てとマンションの維持費では、必要となる場面が異なります。

戸建ては必要な場合に一気に支払うのに対して、マンションは毎月のようにコンスタントに支払う(積み立てる)のが特徴です。

総額でかかる維持費がいくらになるかを比較することも重要ですが、定期的にやってくる支払いが家系にどのような影響を与えるかを考えておく必要があります。

そのほか、両者それぞれ火災保険料や修繕積立金などの維持費も必要です。さらに、固定資産税などの税金もそれぞれかかります。

 

また、どちらの物件も長く住めば済むほど補修工事が必要となるでしょう。

その場合は外壁塗装や屋根塗装、軒先・軒裏塗装、樋・床下のメンテナンス、クロスの張替え、サッシなどのコーキングなどで維持費がかかります。

点検の目安は5~20年という不定期のスパンで行わなくてはならないため、その度に維持費がかかるでしょう。

 

一戸建てにかかる維持費の目安

戸建ての場合、購入時に水道加入負担金が30万円ほどかかります。

これらは不動産価格に組み込まれていることがあるので、実際にどれくらいかかるのかを把握しておくべきです。

 

ただし、火災保険料などが40万円ほどかかってしまうため、そちらが大きな負担となる場合もあるでしょう。

 

なお、戸建ての場合は繋ぎ融資として30万円ほど受ける場合もあります。

通常の住宅ローンで処理できるのならつなぎ融資は受けなくても良い場合があります。

しかし、どうしても戸建てとなるとつなぎ融資が必要となる場合もあるので、維持費の目安として覚えておくと安心です。

 

そのほか、戸建ての経年劣化による補修などを行う場合は1回あたり外壁塗装で100万円ほど、屋根塗装で50万円ほど、軒先・軒裏塗装で30万円ほどかかります。

そのほかにも樋・床下のメンテナンスに30万円、クロス張替えに20万円、サッシなどのコーキングに30万円ほどかかります。

状況によってはシロアリなどが発生する場合など、害虫駆除業者への委託で20万円ほどかかる場合もあるかもしれません。

 

戸建ては少なくとも数十年単位で生活するため、生涯で複数の補修工事を実施するとなると690万円ほどの維持費がかかるのが目安です。

 

マンションにかかる維持費の目安

マンションの場合は購入時に修繕積立金が30万円ほどかかります。

一方、水道加入負担金などはかからないことが多いです。

ただし、火災保険料なども10万円ほどかかる場合があるため、安全な生活を送るためと割り切ることも重要です。

 

マンションであれば管理費や修繕積立金などが毎月必要となります。

不動産経済研究所によるとひと月・平米あたりの管理費は216.43円、国土交通省によると修繕積立金単価は218円と出ています。

そこから考えると60平米の物件の場合、毎月支払う維持費の平均は約2.6万円と計算できます。

 

これを数十年間の生活に割り当てると平均して合計940万円ほどの維持費がかかります。

実際には管理費や修繕積立金が徐々に高くなるケースがあるため、平均するとより高額になるケースもあるかもしれません。

 

さらに、駐車場を契約するのなら別途で毎月数万円の維持費が必要です。

仮に首都圏であれば毎月2万円ほどかかるのが普通で、地方であっても毎月1万円ほどかかることもあります。

それら駐車場代の1~2万円を数十年支払うとなると、約360~720万円ほどとなります。

 

マンションも数十年単位で生活するので、生涯での維持費は1,000万円以上になることが多いです。

特に家族で車のある生活を送るとなると1,000万円以上の維持費は軽く超えてしまうため、十分に計算して考えておく必要があります。

 

戸建てとマンションは結局どちらが得?

結局のところ、戸建てとマンションはどちらの方が得なのかというと、単に維持費だけを見れば戸建ての方が得です。

ただし、戸建てはすべて自分で管理しなくてはならないため、そういう意味では精神的にも肉体的にも負担が大きいでしょう。マンションは自分一人で維持費の金額やメンテナンスの期間を決められないというデメリットもあります。

 

どちらに住むにもメリットがありデメリットがあるため、単純な維持費の損得で語ることはできません。

ただ、固定資産税は戸建てよりマンションの方が高くなる傾向にあるため、土地などに対する減税措置があったとしても建物を保有するだけで相当な維持費がかかるのが特徴です。

仮に3,000万円のマンションと戸建てを想定して、そこに30年住むとなると固定資産税はマンションの場合で約360万円、戸建ての場合で約240万円となります。

そう考えるとマンションよりも戸建ての方が得をする可能性が高いです。

 

購入時のコストはもちろん維持費や駐車場代なども含めて考えると、総じてマンションよりも戸建ての方が負担は少なくなります。

 

ただし、夢のマイホームを思い描いたとき、どちらに住みたいかは人によって違ってくるはずです。

そのため、メリット・デメリットなどを良く考えて選ぶ必要があるでしょう。

 

まとめ

戸建てとマンションでは単純に維持費だけなら戸建ての方が得です。しかし、購入時は戸建てよりもマンションの方が安く済むため、どちらも一長一短です。

家族や車を持つ生活を望むならば、駐車場代が非常に大きな負担となります。戸建ての場合、駐車場代はかかりませんが、マンションは住み続ける場合半永久的に駐車場代がかかります。

 

そのほか、固定資産税などの税金もあるため、どちらにすべきかは自分や家族のライフスタイルから考えてみましょう。もし、もっと具体的なシミュレーションをしたくなったら、工務店やハウスメーカーなどの専門業者に相談してみることをおすすめします。

 

自分たちが目指す理想のライフスタイルによってもどちらが適しているかは異なるため、人生そのものを念頭に置いて選ぶことをおすすめします。