新日本建設コラム
2021.04.13
注文住宅と建売住宅の違いは?それぞれのメリットとデメリットや向き・不向き
家を戸建てにすると決めた場合、数ある種類の中からどの形式にするのかを選ばなくてはなりません。
通常、日本では戸建てに「注文住宅」と「建売住宅」の2種類があります。
理想のマイホームを購入する際には、それぞれの特徴を把握しておくことが重要です。
今回は、注文住宅と建売住宅の違いについて解説します。
また、併せてそれぞれのメリット・デメリットや向き不向きも解説します。
どちらにしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅とは?
まずは注文住宅とはどのような家なのかを見ていきましょう。
注文住宅はどんな家?
注文住宅とは、簡単にいえば、土地を購入して建物を建てる形式の家のことです。
設計の自由度はとても高く、自分たちの理想のマイホームを作れるのが特徴です。
さらに2種類の方法があり、建築条件のない土地を買って建築請負契約を結ぶか、建築条件が付いている土地を買って建築請負契約を結ぶかがあります。
条件によっては施行する建築会社が決まっている場合もあるため、建築条件があるのかないのかを考える必要もあります。
難しく聞こえるかもしれませんが、要は土地を買って建物を建てるのが注文住宅となり、それに関わる業者があらかじめ決まっているのか決まっていないのかで変わるということです。
注文住宅は一から住宅を作っていけるため、建築基準法の法規制さえクリアできれば屋根も天井も床も壁も自由に作れます。
そこは工務店やハウスメーカーなどの建築業者と相談しながら決めていきましょう。
間取りも自由に決められ、理想とする外装や内装を作っていくことが可能です。
当然ながら設備や機材についても何を導入するか細かく決められるため、まさに「自分の城」を築けるのが注文住宅の特徴だといえます。
注文住宅のメリット
注文住宅は一から夢のマイホームを作れるという点が大きな魅力となります。
時間こそかかってしまうものの、一つひとつ住宅に取り入れたいものを吟味できるのが特徴です。
当然ながら、工務店やハウスメーカーなどの力が必要となりますが、デザインはもちろん、建材や機能まですべて一から作れるため、まさに究極の家づくりが味わえます。
家族で、これから暮らす家をどのようにしていくか考える時間は有意義なものになるはずです。
特に、注文住宅であれば構造なども一から作れるため、希望通りに建築してもらえます。
オーナーの方が自ら施主として着工から完成まで携われるので、いざ住み始める際にも愛着が沸きやすいです。
何より「自分が建てた家」という実感が沸くのも大きな魅力です。
注文住宅のデメリット
注文住宅は自由に家を作れる反面、見積もりから設計など実際に工事をする前から時間がかかります。
工事を始めてからも時間がかかるため、受け渡しまで長い期間が必要です。
また、デザインや建材や機能の変更を取り入れることによって、その都度、予算も追加で必要となります。
つまり、場合によっては予算オーバーとなる可能性が高いということです。依頼する工務店やハウスメーカーによっても予算は異なるため、慎重な比較検討が必須です。
そのほか、先に土地を購入してから建物を建てるという場合、金融機関による融資が厳しい場合もあります。また金利も高くなることが多いため、基本的には土地と建物を同じタイミングで決めることをお勧めいたします。
建売住宅とは?
次に、建売住宅とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
建売住宅はどんな家?
建売住宅とは、土地と建物をセットで購入できる新築の戸建てを指しています。
一見するとすでに完成している物件しかないと思われがちですが、実は建売住宅にも2種類あり、すでにその土地で建物が完成している場合と、完成していない真っ新な場合があります。
建築業者によっても違ってきますが、それぞれ目的に合わせて選べます。ただ、建売住宅の場合は制約もあるため、注意が必要です。
また、建売住宅の場合は大規模な分譲地である可能性もあり、その場合は土地開発区域とされていることもあって同じような見た目の家が並んでいることが多いのも特徴です。
建売住宅はその地域の景観に合った家を持てるという魅力がある反面、すべて決められてしまっている場合もあります。
どちらを選んでも一長一短のため、自分がどういう家に住みたいのかを細部まで検討する必要があるでしょう。
建売住宅のメリット
建売住宅はすでに完成している土地と建物をセットで購入するため、資金計画も立てやすいのが魅力です。
どうしても家を持つとなると大金が必要となるので、資金繰りに関しては慎重に立てなくてはなりません。
しかし、建売住宅ならすでに完成していて料金や費用もおおよそ決まっているため、後になってから追加請求されることもほとんどありません。
それでいて敷地も決まっているからこそ近隣住民とトラブルになることも避けられ、自分たちのライフスタイルも確立しやすいのです。
また、建売住宅は購入手続きが簡単で、入居までの期間が短いのも魅力となります。
住み替えの際はやはり小さな子供やお年寄りがいる家庭は負担が大きいですし、転々とするのも大きなストレスとなってしまうはずです。
そうした住み替えがスムーズなのが建売住宅です。
何より建売住宅は工務店やハウスメーカーなどとの打ち合わせに時間が取られることもなく、購入までのステップが簡単なため、忙しい方でも建てやすいです。
建売住宅のデメリット
建売住宅は購入までが容易な反面、自由に作ることはできません。
間取りも先に決められていることが多く、設備や機材に関してもすでに導入済みという場合もあります。
そうなれば住み始めてから「思っていたのと違う」ということにもなりかねません。
一部の建築業者によってはオプションで変更することも可能ですが、自由度は注文住宅に比べ各段に低いのが難点です。
そのほか、地域の景観に合わせた合理的なものが多いため、どうしても画一的な土地と建物ばかりとなります。
そのため、ほかの人の家と同じような家になることで満足できない方にとっては残念だと思える点もあるかもしれません。
それだけでなく、建売住宅は着工から完成まで見ることができないため、細部まで確認できないことに不安や心配を抱く方もいます。
入居までの流れと期間
注文住宅と建売住宅は入居までの流れや必要とする期間も異なります。
以下、それぞれの流れと期間の違いについてまとめるので、どちらを選択するべきか迷っている方は参考にしてみてください。
注文住宅の入居までの流れと期間
注文住宅はまず土地探しをしてから建物作りへと進んでいきます。
まずは自分たちが住むエリアを絞って決めていかなくてはなりません。
その地域ごとに販売されている土地があるかどうかわからないため、土地探しは一般的には6~12ヵ月ほどの期間を見ておく必要があります。
特に人気のエリアの場合はすぐに契約が入るため、迷っている間に決まってしまうこともあります。そうなれば一生後悔することになるかもしれません。
じっくりと検討することも重要ですが、人気エリアでは即決する勇気も必要です。
土地探しと並行して次は建物の計画へと進みます。
建物は工務店やハウスメーカーなどとの話し合いで決めていくため、頼りになる建築業者を見つけて相談しましょう。
特に土地購入後はそれらの建築業者と工事請負契約を結ばなくてはならないため、世間の評価を参照しながら判断してください。
ここまででおおよそ3ヵ月ほどかかり、実際に着工から完成までを含めると5~8ヵ月ほどかかります。
注文住宅にしようと考えている場合は、最低でも住む予定日の1~2年ほど前から計画しておくことが大切です。
建売住宅の入居までの流れと期間
建売住宅は基本的に土地も建物も完成している状態のため、本来かかるであろう数ヵ月分の期間を省略できます。
購入の際にやらなくてはならないことも住宅ローンの申請や建築業者との売買契約くらいなので、最短1ヵ月ほどで入居が可能です。
ただし、建売住宅によっては土地がすでにあるものの建物は完成していないというケースもあるため、4ヵ月前後かかる場合もあります。
これは、それぞれの建築業者によっても異なるので、事前にいつまでに入居できるのかを相談しておきましょう。
注文住宅と建売住宅でそれぞれ向いている人
注文住宅は、やはりこだわりの家を作れるため、土地から建物まですべて自分で決めたいという方に向いています。
また、自分たちが描く理想のライフスタイルを実現したいという方やほかの人の家とは違う夢のあるデザインにしたいという方にもおすすめです。
予算がかかったとしても自分たちに合った家に住みたい方は注文住宅に向いています。
一方で、建売住宅は土地と建物をセットで購入できるため、すぐにでも入居したい方に向いています。
また、多少妥協してでも予算を抑えたいという方には建売住宅が向いているといえるでしょう。
まとめ
注文住宅と建売住宅の違いは、一から作るか完成したものを買うかです。
こだわりを詰め込んで建築できるのが注文住宅なのに対して、気軽に購入できるのが建売住宅となっています。
ただ、これらの物件は向き不向きがあるため、どちらの方が良いということは断言できません。どちらを選んだとしても正解不正解ということはないため、まずは自分の中で夢のマイホーム像をきちんと描いて選んでいくことをおすすめします。
今後の生活をより詳細にイメージし、それぞれの生活に合う住宅を選んでいきましょう。